2012年 8月


 

8月5日(日)

前回のUPからすでに1ヶ月経っているが、毎週末作業したのはアンダーボディ処理。
先日、タートルトレーディングさんにお願いした作業は主に外観の調整と全塗装。
シャシーは次回のためにとっておいたのだが(笑)、思いのほか床下の錆の進行が酷い。
ほっとけないので、とりあえずアンダーコートを剥がしてみる。
酷いのはやはりオリジナルのパネルだ。 バッテリーボックスなんて今にも底が抜けそうだ。
このバッテリーボックス、室内側も錆だらけだったので、サビをざっくり削って、錆変換液で
錆を抑える。 効果のほどは不明だが、ほっとくよりはいいだろう。
今回わかったことは、イギリスでのレストア時、錆たオリジナルのパネルを切り取って
新しいパネルを溶接したのではなく、ただ重ねて溶接したので、パネルの内側で錆が
繁殖してしまっていたのだ。
バッテリーボックスの弱ったパネルは、レストアでは邪道かもしれないが、FRPで補強。
というのも、このミニのレストア、私の中で溶接だけは手を出さないと決めている。
もし、溶接ができるようになったら...全てのパネルを新調したくなって、完成が10年後に
なってしまうだろうから(笑)
オリジナルパネルが結構残っているトランク周りの錆との戦い、夏休みで決着をつけるぞ!
錆との戦いは、削った錆の鉄分を全身から摂取しているかのごとく大変な作業だ。
そんな作業の息抜きで、イギリスから届いた極初期のパーツをリビルトしよう!
今回、実働する車から外したばかりのブレーキとクラッチのマスターシリンダーをセットで
入手できた。 過去にも紹介した、頭が6角ナット形状になったタイプだ。
でも、もうすでに50年以上昔の部品、こちらも錆だらけ...
頭の部分の違いは、一目瞭然。左が通常の形状で、先端に向かってテーパーになっている。
あと、ブレーキ液を入れるキャップが白いプラスチック製。(写真はメタルキャップだが)
見た目の違いはそれくらいだが、マスターシリンダーの内径が異なっている。
初期型は直径が0.75インチ、後期型は0.7インチ。同じ液量を排出させるには、旧型の方が
短い距離=ペダルストロークとなる。ペダル操作がシビアになるかな?
実は、おなじ6角ナットヘッドでも2種類ある。極々初期は、ナット部がキャップになっている
(写真右)が、その後一体ボディになったのだ。
キャップが取り外せない構造なのに、なぜ6角ナットが残ったのかは不明だが...
カタログによると、うちの車には、この極々初期品が使われていることになっているが、
Gaydonにいた仔も一体ボディを使っているので、こちらで良しとしよう。
さて、リビルト開始だ! マスターシリンダーをひっくり返りて、サークリップを外すと
ピストンを取り出すことができる。
ゴムの反力で軽く固着している場合は、パイプ側からエア圧をかけてあげると、スポンと
飛び出してくる。
今回の仔たち、シリンダーの状況は問題なし!
これがブレーキのマスターシリンダーの分解結果。
外に出ているプッシュロッドは錆サビだが、内部はシリンダ壁面を含め綺麗な状態で、
サビによる固着はない!ちょっとクリーニングすれば使用可能だ!
こちらはクラッチマスターシリンダ。
ブレーキと形を合わせるため、こちらを使用することに。
中身はブレーキマスターとほとんど一緒。唯一バネの根元にある白いワンウェイバルブが
クラッチにはない。
こちらも、状態は問題なし、使用可能だ。
さて、ボディの処理だが、今リプロダクション品として手に入るメタルタイプのマスター
シリンダーは、ピカピカにメッキ処理されているが、本来は艶がない亜鉛メッキ処理されて
いたらしい。(定かではありません。) それをどうやって再現するか?
まずは頑固なサビを除去しなければならないので、ワイヤーブラシを使ってざっくりと
サビを落とし、KUREラストリムーバーで錆を分解・除去。
錆止め効果も期待して、市販の亜鉛メッキスプレーを塗ってみる。亜鉛が96%も入った
グレーのスプレーだ。
実際に吹いてみると、つやが全くないライトグレーで、ちょっと想像と違った仕上がり...汗
が、これをダスターで乾拭きすると、いい感じにツヤとメタル感が出てきた!
よし、これで行こう! 
クラッチは、先日極々初期品に組み込んだ改善されたコンバージョンキットをこちらに移す。
ブレーキは、新品のリペアキットを入手して、ゴム部品のみ交換してリフレッシュ!
内臓物を元に戻して、組み立て完了!
それにしても、こんなレアな極初期のマスターシリンダーでも、イギリスでは今でも普通に
リペアキットが手に入る。やはり、イギリスは旧車天国だなぁ。
そして、これが車載状態。 写真ではグレーの艶消しに見えるが、実際はもう少しメタル感が
出て、いい感じだ。
ただ、問題なのは、ブレーキ液で塗装がハゲること。 
ブレーキ液を入れる部品なので、これは困った。
まぁ、ハゲたらハゲたで、アジとして受け入れよう(笑)
そして、もうひとつのレアパーツ、オイルクーラーキット!
当時、オプションで出ていたもので、オイルフィルターの横に縦に組み付けるタイプだ。

日本の夏は暑いからなぁ〜
パイプやブラケットも揃っていて、そのままボルトオン!と思ったら、下側のブラケットの
形状が違う! まぁ、小変更で対応できそうだから、問題なし!
こんな感じで、エンジンとオイルフィルター間のパイプにクーラーコアが割り込む。
一般的なクーパー用の横置きタイプと違って、フロントパネルの加工が不要だ。
まぁ、850ccのノーマルエンジンに必要かどうかは?だけど、非力なエンジンをブン回して、
でもスピードが出ない(クーリング効率が悪い)からこそ、必要でしょ!?
エンジンオイルでミッションも潤滑しているミニだから、オイル管理は余計に気を使わないとね。
最後に、タートルトレーディングさんから、メーターカウルとスイッチパネルが帰ってきました!
缶スプレーで自分で塗ったものとは雲泥の差! (比べる方が失礼ですね。)
せっかくのピカピカなこの仔たち、ボディのサビ取りが終わり、ガレージ内のサビとパテの粉を
掃除し終わるまで、しっかりとしまっておこう。
ということで、最近のレストアレポートはここまで。
来週末から夏休みなので、加速させるぞー!

最後に、イギリスにミニトラベラー/カントリーマン限定のクラブ(?)を発見、全世界に生息している長モノを確認、
登録しています。
私も早速登録してみました! 12年7月26日現在で、全世界で192台、日本でも13台の長モノが登録されています。
登録は無料、簡単に手続きできます。興味がある人は、お手伝いしますよ!

Mini Traveller and Countryman Register
http://www.minitravellerandcountrymanregister.org/

それでは!
 

      


作成者:マロンパパ 1