2002年 6月


 

6月4日(火、だけど祭日)

 久しぶりに、こちらも懸案だったエンジンをいじる事に。というのもエンジンを早急にガレージに渡さなければならないからだ。
 前にピストンまでばらして組み上げたエンジン、実はまだオイルを吸い上げてくれない。
色々と試したが、どうしようもないので、オイルポンプを新品に組替えた。もう何回重たいフライホイールの脱着をしただろうか? 
再度クラッチハウジング、フライホイール、スターターモーターなどを組み付け、いざ回転! 
今度はちゃんとオイルが循環しているし、オイルプレッシャースイッチも油圧を感じている。
これでやっと先に進めるぞ、と思ったのもつかの間、シリンダーヘッド周りにオイルがこない。ここでまた不安がよぎる… 
実はH-Miniから元のエンジンを引き上げた時に、ロッカーアームASSYが見当たらず、その辺にあったやつを持って帰ってきたのだが、
それは1275などの大排気量(?)のやつだった。ヘッドへのオイル循環経路は、このロッカーアームASSYの中を通っているのだ。
もしかするとどこかの通路の位置が違っているのでは??? 後に正規のやつを返してもらったが、そのままにしてあったので、この際組替えることに。
 案の定、プッシュロッドとの接続部にオイル通路がないタイプが組まれていた。すべてを入れ替え、再びクランキング。ちゃんとオイルが出てきた。
これ で、いよいよエンジン始動に挑戦だ。
 バッテリーに燃料ポンプ、デスビとコイルを接続し、プラグに火花が飛ぶかどうか確認。ちゃんと飛んでいる。
プラグをセットし、プラグコードをつけて、クランキング! しかしエンジンは目覚めない。しばらくそのままクランキングすると、エンジンが変な動きをした。
クランキングしているフライホイールが一瞬止まったり、逆回転したりするのだ。
これは何かおかしい、点火かカムのタイミングが間違っているのではないだろうか?
タイミングチェーンカバーを外してみるも、特にカムタイミングがずれている形跡はない。となると点火系か。
確かに、今まで点火時期を確認していなかった。
 一番シリンダー上死点付近でデスビのポイントが開く位置を確認すると、まったく合っていない。
というのも、デスビの取り付け角度はこのエンジンを購入した時のままだった。
進角用のバキュームユニットが正規の2時の方向を向いていたので何も疑わなかった。しかし、このデスビ、ミニ用ではなかった。
シリアルナンバーが異なるのである。
仕方がないので、ポイントの開き始めを基準に位置をセットしてみると、バキュームユニットは12時と1時の間、ほぼ直立の位置になってしまった。 
 この際、見た目は置いといて、再度電源を接続し、クランキング。するといともあっさりとそして静かにエンジンは回り出した。
今回は、単なるエンジン始動確認のため冷却水を入れていないので長くは回せないが、初めてうちのエンジンが回った。
これから燃料や点火時期などきちんと調整が必要だが、何はともあれ感動である。
 クラッチ、ダイナモ、ラジエターなどを取り付け、次回は冷却水を入れた状態でエンジンを回すぞ!

  

6月12日(水、だけど有給休暇)

 帰国の日程が決まった。6月24日に引越し、フライトは26日だ。あと2週間しかないのにやることは山のようにある。
訪れていない場所もたくさんあるし、ミニのものを含む買っていない物ものもたくさんある。やはり、計画性の無さが災いを招く結果に。

 そして今日、エンジンを車に積むべく、U氏が取りに来る。ここではエンジンクレーンを借りることも作業するところもあるが、日本では無いかもしれない。
だから、エンジンは車に積んで送らなければならないのだ。
 その前に冷却水を入れて、もう一度エンジンをかけてみないと、ゴミを積むようなものなので、朝一で再トライ。今回もあっけなく、始動。
しばらくアイドリングさせるも、回転も安定している。メーター類をつけている訳ではないので、詳しいことはわからないが、まずは一安心。
 その後、エンジンは引取られて行った。
 

6月26日(水)

 いよいよ帰国だ。結局、引越しやら何やらで、ミニの最終仕上げは確認できなかった。
仕方が無いが、車のほうはU氏にまかせて、最後の部品購入に西へ東へ。当然、すべて手荷物で機内へ持ち込むことになる。
取り上げられなければいいが、と思いながら、デスビやメータなどの新品、中古の部品を購入。 
こんなもん、手荷物で持ち帰る人は、海外旅行ばやりの今でも珍しいだろう。案の定、空港のセキュリティーチェックで中身の確認を求められた。
特に武器になりそうなものは無いが、以前おまけでもらったソーイングセットのちっちゃなはさみを目ざとく見つけ、没収されたことがあるので、
緊張しながら中身を見せる。しかし、単に部品が重なってX線で見えなかっただけのようだ。中身をトレーに乗せ、再度X線を通し、O
Kが出た。
 あとは、日本行きの飛行機に乗るだけだ。とうとう、英国暮らしが終わってしまうんだなぁ。
彼の地、英国を自分のミニで走ってみたかったし、まだまだ足りない部品や見つけ切れなかった部品がたくさんある。
いろんなことがあったけど、やっぱり、英国はいいところだったと、再確認しながら帰路についた…


 というわけで、帰国することになりました。
この場を借りまして、今まで応援してくださった皆様、および暇つぶしに読んで下さっていた方々に、深く感謝いたします。
もちろん、日本へ帰ってからも、続けていくいつもりですので、楽しみにしてくださいね。
[第1部完]

      


作成者:マロンパパ