2002年 5月


 

5月6日(月)

 とうとう帰国が正式に決まった。7月1日付で日本勤務だ。という事は、UK生活もあと2ヶ月しかない。
最近はガレージでの作業スピードが良くなったとはいえ、残念ながらイギリスでミニの運転は無理のようだ。
 今後については、こちらのガレージに車を預けて、レストア後に日本へ輸出する事も可能だが、ここまできたら、自分で組み上げたい。
そこで、未完成車の日本での登録についてU氏に確認してみると、うちの車はすでにイギリスでナンバーを取っているので問題ないとのこと。
という事は、必要な部品とスペアパーツを買い込んで、車と一緒に送って、日本に帰ってからゆっくりとレストアする事ができるのだ。
まぁ、できる限り、こちらで組んでおきたいが。
 
 

5月11日(土)

 車のほうはU氏に任せるとして、手持ちの部品のリビルトをする。
まずはむかしから懸案だった、フロントドライブ周りとディスクから。
随分と昔、車と一緒に中古のクーパーS用ディスクAssyを買った。極初期車のL&Tドラムブレーキは効きが悪いので有名だからだ。
私は、この車を床の間のオブジェにするつもりはないので、あえてブレーキだけは、オリジナルを捨てた。やはり、車は止まれるから、走れるのである。
 
 マニュアルを見ながら、各部品を分解し、使えるものかどうかの見極めをする。
 ドライブ系は、ベアリングとサスペンションジョイントを念のため新品に組み替える。
CVジョイントも交換したいところだが、高価なので、グリスを詰め替えて様子を見ることに。(問題時のため、新品はスペアとして購入してある。) 
その他、ハブハウジングやドライブシャフトは、さびを落とし、POR15を塗る。
 ブレーキ系は、ディスクとディスクカバーがサビで再使用不可のため新品を購入。
キャリパーはピストンとリングは腐っているが、キャリパー本体は無事。
さびを落とし、POR15を塗り、新品のステンレスピストンとシールを組み込み、完了。

 

5月17日(土)

 イギリスの南側、ビューリーという場所にある、有名な自動車博物館で、大きなオートジャンブルがあった。このようなAJに行けるのもあとわずか。
今回はガラクタ探しに加え、今後のためのスペアパーツも買い込まなくては。
 で、発見したのが初期のエンジンステディロッド。
Mk.Iのnagamono(エステート、バンそしてピックアップ)には3種類のロッドがある(きっとサルーン系も同じだろうが、未確認)。
 最初はBMC品番で2A5874。エンジン側のブッシュが1ピースで大きいのが特徴。ボディ側は現行車と同じ2ピースのブッシュ。 
そして、シャシーナンバー270000前後に21A1020が導入される。基本は2A5874と同じだが、ブッシュ挿入部に補強が入る。 
3番目が21A1109で、ボディナンバー(ややこしい…)33509(エステートの場合)に採用。現行と同様、両側とも同じブッシュを使う。
 うちの車には2A5874が使われていたはずなだが、このような特殊なブッシュが入手できるのであろうか? 
しかし、さすがはミニの国イギリス。オールドミニが得意な少なくとも2箇所のショップで扱っていた(リプロ品だけど)。
予備を含めた数個のブッシュを購入した。これで、オリジナルどおり、2A5874を使用する事ができる。
でも気になるのは、21A1020で補強が入った理由だ。もしかして2A5874はよく折れたのかな?

 

5月26日(日)

 フロントドライブの組み立てを始めた。 
 ハブハウジングに上下のジョイントを組み込む。マニュアルどおり、シムを入れたり抜いたりしながら最適な状態を探す。
無事両側上下の計4個を終え、グリスガンでグリスを充填。
 次にベアリングの組み込みだ。
これはリアハブと同様、慎重にベアリングアウターをハブへ打ち込み、インナーを入れ、グリスを充填し、ラバーシールを組み付け終了。
 そして、ドライブシャフトとCVジョイントを組み付ける。ドライブシャフトをCVジョイントに差し込めばいいのだが、シャフト先端の溝にCリングが入っており、
そのリングを縮めながらCVジョイントに差し込む作業がすごく難しい。何度もトライしたが、結局出来なかった。
ピストンリングコンプレッサーの赤ちゃんみたいな物を作るしかないか?

 

5月31日(金)

 会社帰りに車の進行状態を見るためにガレージへ。ウインドウ下のスカットルが新しくなり、ボンネットがついていた。

今は、運転席部分のフロアを溶接している。しかし、進みが遅くなっている。予定では今の時点で塗装が始まらなければならない時期だ。
というのも、ボディが完成後、一度うちのガレージに車を持ってきてもらい、大物のエンジンと水が入らないようにするガラス&シール類をつければ、
パーツを車の中に入れて輸送できるからだ。その作業時間を考えると、あと1週間で終わってもらわねば、時間的に辛い。
 出張で立ち会えないU氏に電話で報告すると、早速店主と交渉開始。しかし物理的に時間は足りず、結局は6月14日に完了予定となった。
私の帰国のフライトが6月26日なので、ほとんど車をいじる時間がない。
U氏と相談した結果、遅れたバツ(?)として、フロントサブフレームをリビルトしてボディに組む際にエンジンも載せてもらうよう、彼らに要求することになった。
 このため、内装品などを箱詰めしなくてはならない。家の引越し準備とで家はぐちゃぐちゃ。まるで空き巣に入られた様…

 
 
 
      


作成者:マロンパパ