Modification
- Interior -


 

Smiths Chronometric Rev. Counter

昔のカーグラTVのオープニングに出ていた青いブガッティに装着されていたタコメータの
針の独特な動き、記憶に残っている人も多いのではないだろうか?
私も、クラッシックカーならあのメカニカルなタコメータでなければ!と思っていたが、
すでに骨董品としての価値が高いクロノメトリックメータ、入手も困難な状態。
うちのミニには、クラシカルな雰囲気を出すため、古いSmithsの文字盤を特注で作って
もらったが、やっぱり本物のようなメカニカルな動きがない。 当たり前だけど...
で、イギリスのオークションでメーターの出物をチェック、運良く落札出来ちゃいました!
でも、これだけでは動かないのが、クロノメトリック、機械式のメーター。
エンジン回転を取り出さなければならない!
さあ、うまく取り付けできるだろうか?
入手できたのは、名門Smithsのクロノ、右上から時計回りに
針が動く、8,000rpmまでのはしごスケール、ギア比が4:1で、
赤いTell Tale(スパイ針)付きのタイプ。
文字盤はオリジナル?通常ならモデル名が書かれている
はずなのに...まぁ、いいか。
裏側は、塗装が少し剥がれているが、概ね良好。
UKの専門店でメンテしたステッカーが貼られている。
照明用バルブは内蔵していないタイプだ。
右にあるボタンは、スパイ針をリセットするためのもの。
大事なメーター、錆びてしまわぬよう、塗装しておこう。
雰囲気を出すため、UKで購入していたハンマーエフェクトの
スプレーで塗ってみた。微妙なデコボコができるスプレーで
気に入っているのだが、日本でも売っているのだろうか?
メーターはこれで準備OK!
名前のとおり、機械式タコメータなので、エンジン回転を
取り出さなければならない。そのため、カムシャフトにギアを
つけて、その回転をワイヤーでメータと繋ぐのだ。
黒いのがギアユニットで、これを固定するベース、そして
カムシャフトに取り付けるカギ付きナットが必要となる。
取り付けるには、タイミングチェーンカバーを加工しなければ
ならない。
今回の作業で一番大変だったのは、このカバーの脱着。
ラジエターをはずし、クランクプーリーを抜きカバーを外す。
狭いミニのエンジンルーム、手が傷だらけになってしまった。
せっかくここまでばらしたので、レストア中にやらなかった
タイミングチェーンとテンションゴムを新品に替えておこう。
オイルとマイクロロンのグリスをたっぷり塗って、チェーンと
ギアを組み付ける。 クランクとカムの位置を間違えると、
エンジンはかからないどころか、壊してしまうので慎重に。
カムギアの固定ナットをカギ付きの専用品に交換して固定。
このカギにギアユニットのキーがはまり、回転を伝えるのだ。
ギアユニットを取り付けるため、チェーンカバーの加工だ。
カムシャフトに付けたナットの先端がギアユニットにピッタリ
合うように穴位置を決める。
穴が決まれば、ギア向きを考え、ベースプレートを固定。
青アルマイトが浮かないよう、オリーブグリーンにペイント。
ギアユニットは、こんな感じで装着される
このギアユニット、カムシャフトの回転を90度曲げると同時
にギア比も変えるのだ。 カムシャフトはクランクの半分の
回転(2:1)なので、ギア比が4:1のメータに合わせるため、
ギアユニットで2:1に減速させるのだ。
ベースは裏側から頭が低いステンレスのボルトで固定。
そのうち2本はギアユニットの固定に使う。
残り2本は振動で緩んでチェーンに挟まぬよう、ロックタイト
で、しっかりと固定しておく。
ギアユニットのキーはこんな感じで穴の中心に来るのだ。
エンジンに組み付けてみたところ。
いざ組んでみると、狭いエンジンスームで結構飛び出して
いるが、他のモノと干渉しないのだろうか...
必要な物は付いたので、エンジンルームを元に戻していく。
ここでもミニの合理的なパッケージングに拒まれる...
なんとか組み終え、各部のクリアランスを見ると、ラジエター
ファンもベルトもぎりぎり。でもぶつからないのがすごい!

(偶然?)
ギアユニットとメータを繋ぐケーブルは、古い英国バイク用
のリプロ品だが、今でもちゃんと今でも手に入る。
こちらも、オイルたっぷり塗って組み付けた。
電気式タコメータと交換!
見た目はスケールの位置が違うだけで、それほど変わら
ないが、やはり本物は存在そのものが違う!
ちょっと残念なのは、Smithsのロゴが異なることか。
照明が内蔵されていないので、前にデュアルゲージに
付けた街灯タイプの照明をタコメーターにも追加。
これはこれで、ノストラジックな演出だ。
ナイトドライブがワクワクする!
さて、エンジンをかけてみると...
エンジン回転が上がると、ステップを刻むように、カクカクと
上昇、スーっと下降、まるで生きているような動きだ。
耳をすませば、チッチッチッと時を刻む手巻きの腕時計の
ような音も聞こえてくる。 もう、たまりません!
 

      


作成者:マロンパパ