2000年 7月



7月3日(月)

 出会いは突然だった。何度も探しては、売れていたり、予想と違ったりで、あきらめかけていたときに、ある広告を発売したてのミニマガジンで見つけた。
61年式のフラットルーフ&インナータンク。たまたま先輩からもらったミニフリークに希少車と出ていたやつだ。 
早速、電話をかけてみるとまだあるとのこと。今度の土曜日に見に行く旨を伝えて、土曜日が来るのを待つことに。
 

7月5日(水)

 たまたま、仕事で出張にいき、それが時間より早く終わった。
ここからそのミニがあるところまではそんなに遠くない。いてもたってもいられなくて、だめ元で電話してみると待っていてくれるとのこと。
結局、渋滞や道を間違えたりしたが、何とかたどり着き、店の主マイクに会う。しかし、店というより自宅の裏に10数台のミニを置いてあるような所だ。
 そして一番奥にそのミニがいた。白(OEW)のトラベラーだ。状態はと言うと… 不動車、よってMOT(日本でいう車検)はなし。
ボディーや木枠はあちこち腐っている。しかしマイクは、エンジン、サブフレームは数年前に交換済み、あとは多少の手直しで済むくらいの上物だと言う。 
それに、今では貴重な初期型。今後上物が出てくる保証も無いし、さんざん悩んだあげく、「これください」と言ってしまった。 
そう、これがトラちゃんこと'61モーリスミニトラベラーとの出会いで、これから続くはちゃめちゃレストレーションの始まりであった。
 

7月17日(月)

 土曜日の納車予定が延期となり、今日が納車日。半休をもらって受け取りのため帰宅。
時間が早かったのでロンドンのミニショップによって部品を物色。 購入時に見た現車の記憶を頼りに、必要部品を注文。
 そして、納車。 トラックの荷台に白いトラベラーが載っている。えっ、これがうちの車?とんでもなくぼろい。何かの間違えでは??? 
実は、こいつを買いに行った日は雨の夕方だった。雨でぬれた車は輝いて見えた。でも今日は晴れ。車は艶なんてありゃしない。
この車を見た妻は一言、「これ走るようになるの?」 「う、うん。多分。」 
この時心の中では、(コリャえらいこっちゃ。とんでもない物をつかまされた。どうしよう…) おもいっきりへこんでしまった。


7月22日(土)

 いつまでも落ち込んでいたってしょうがない。とりあえず、現車の確認を。
一応、ミニの形をしているが、ボディパネルはあちこちがサビで穴が開いている。
特に酷いのが床。カーペットを剥がすと地面が見える! まぁ、お約束といえばその通りなんですが...
エンジンルームもホコリとサビで汚れきっている。とてもエンジンが生きているとは思えない...
 先に進むには、とにかくボディを直さねばならない。 とはいえ、今まで大学の授業で溶接を習ったことはあるが、実践経験はなし。
少なくとも、箱の1面であるフロアをすべて替えることになるだろうから、ボディと塗装はプロに任せることにする。
その他の部品の脱着とレストアはできるだけ自分でやるとして、まずはボディを直してくれるお店を探そう!
 まずはクラッシックカーのレストア屋。家から30分位の町にあることを発見、訪ねてみるが土曜は休みらしい。
しかし、ここにあるほとんどの車は博物館に入れるほどのクラッシックカーばかリ。
いくらトラちゃんが古いったって、まだミニ自体は生産中の車。ちょっと場違いなのでは? 


7月29日(土)

 イエローページで見つけたすぐ家の近くにあるミニ専門店S(ミニ小屋と言う意味の店名、以下Mini-S)に行ってみる。
マネージャーのジョンが愛想よく出迎えてくれた。ここは新しいミニの改造や修理が中心だが(ミニのオープンもOK)、レストアもやれると言う。
現在レストア中のMk.2のAT車を見せてもらい、なるほど、ここならとりあえず出来そうだ。家からも近いし。
まずはうちの車を見てもらい、概算見積もりを出してもらう。来週末に来てもらうことに。
それまでに出来るだけ部品をはずし、ドンガラ状態にしなければ。

       

      



作成者:マロンパパ