Modification
- Chassis -


 

Front Drum Brake (1)
(Original)
分解編

我が家のトラベラー、基本的にオリジナルに準じたレストアを行ったのだが、大物として唯一オリジナルを捨てた
ところがあった。それはフロントブレーキだ。
1961年式のミニはドラムブレーキ、それもシングルリーディングというタイプ、今で言うリーディング&トレーリング
という一般的なドラムブレーキだが、サイズのせいなのかわからないが、効きが悪く後にダブルリーディングと
いうタイプに変更となった。
何が違うかというと、リーディングのドラムシューは、回転するドラムに接すると、その回転力により、シューが
ドラムに押し付けられる力(自己倍増力)が働く。これが1個で効きが悪かったので2個にした、ということだろう。
いずれにしても、ブレーキは大事なので、さらによく効くであろうディスクに換えたうちのトラベラーだが、850ミニ
乗りの先輩方の影響からか、やはり一度はオリジナルを体験しておきたい、という気持ちが大きくなり、ドラムに
戻すモディファイ(改悪かも...)、というかレストアを決意! 久しぶりに、油とサビとの格闘が始まった!
ドラムに戻すもうひとつの理由、それはクーパーSディスク+
ノーマルホイールだと、タイヤがツライチ、見方によるとはみ出し
ているようにも見える為だ。
昔のような細いタイヤがあればいいけど、それも無理だし、
デラックスのモールをつけるのも、オリジナルじゃないしね...
これがもともとこの車に付いていたドラム周りだ。
オリジナルでないダブルリーディングのブレーキに交換されて
いるが、ナックルやハブまではオリジナルから換えていない
だろうから、CVジョイントやベアリングなどの消耗品を変えれば
オリジナルに戻すことができるだろう!
とはいえ、肝心のシングルリーディングのバックプレートは
リプロ品が無いので、これをどうにかして入手しないと、
オリジナル化ができない。
こういう時に頼りになるのがEbay-UK!
永らく待って、ようやく出ました程度の良い中古品!
多少競り勝って、無事GET! さぁ、行くぞ!
BMCのパーツリストを見ると、フロントのシングルリーディング
ドラムの殆どの部品がリアドラムと共通だった。
唯一、ホイールシリンダーはサイズがアップしていたが、さすが
イギリス、サイズアップしたものが今でも入手が可能!
おそらく、ほかの車用なんだろう。
ベアリングなどの消耗品もあわせて、海外通販で購入。
しかし、昨今のポンド高、なんとかならないのかなぁ...
とりあえず部品が揃ったので、まずは錆だらけのドラムを分解。
ドラムとシューを外してハブを抜くために大きなナットを外そうと
するも、ビクともしない。完全にサビで固着している。
我が家の安物エアインパクトで何回もショックを与えるもダメ。
さて、どうしたものか...
ナットはCVジョイントのオスネジに締め付けているが、今回の
作業でCVジョイントを交換するので、ここは強引にナットを
破壊して外そう!グラインダーでガーーーーっと!
ハイ、外れました!
勢い余って、ハブも削っちゃいました...
まっ、これくらいなら影響ないでしょ!
さぁ、これでまたバラすことができるぞ!
ハブが外れるとダブルリーディングのホイールシリンダーが
確認できる。
心配だったバックプレート固定の3本のボルトも無事外れて
ほっと出来た。 
さぁ、一気に分解だ!
ばらばら〜!
この中で必要な部品はサビと古いグリスだらけだが、何とか
使えそうだ。
それにしても、見事に茶色一色(笑
予想通り、ナックルやハブはMOWOGのマークがくっきりと
刻まれているオリジナルだ!
きっと、よりよく効くダブルリーディングのブレーキだけ新しい
タイプに換えられたのだろう。
これらのサビと汚れを落として、生き返らせるぞ!
(つづく)
 

      


作成者:マロンパパ